ライズアップ

『地面に広げたパラグライダーを頭上に起こし翼の形にセットする』これがライズアップ。「立ち上げ」とも言う。
ハングやセルプレーンとパラグライダーが大きく違うのがこの部分。テイクオフ前にキャノピーに空気を入れて翼を作らないとフライトできません。安全に飛び続けるためにも、この時期に頑張って確実にライズアップをマスターしよう!!パイロットになっても重要なので手を抜かないで行きましょう!

セッティング 面倒くさがらず丁寧に行い、エアインテークの一つ一つに風が入るようにする。『ラインやライザーが絡んでいないか?』も最重要チェック項目!

キャノピーのセッティングは扇形に広げます。こうすることによりキャノピー中央部のインテークから風が入り立ち上げの失敗が減ります。また、風の方向に合わせてセッティングするのもポイント。

事故を未然に防ぐよう、十分注意して行う。
広げたキャノピーの
センターに立つ
パラグライダーはバランスのスポーツ。地面に広げたパラグライダーの中央に立ち、風との方向も合ってる事が重要。
持ってる左右のAライザーから出ているラインのテンション(張り具合または重さ)で測れる。この時、手の位置に注意!キャノピーと平行のままチェックする。
リラックス 緊張するといつもと同じに動けなくなり失敗しやすいの、軽く深呼吸してリラックス。
風との
タイミングを計る
ライズアップは1〜2m/sぐらいのアゲンスト(正面からの風)の中でするのがやりやすいけど、無風でもできます。但し、コロコロ風向きが変わったり、強弱がある時は注意が必要。

キャノピーを立ち上げた時に前に出れないくらいのテンションが掛かってたら、無理に前に出ようとせず、その場で踏ん張っていると頭上に上がってきます。また、後ろに引かれるくらいのテンションであればバックステップして、キャノピーの下に入るようにします。
立ち上がりを
確認し安定させる
ライザーを持ってるのは、パラグライダーのキャノピーを立ち上げる為。立ち上がった事を最初は目で確認します。そしてAライザーを離し、ブレークコードを耳のあたりの位置まで軽く引き、キャノピーが前に走らせないように安定させる。

この時のブレークコードの操作の事を『押さえ』または『あて』と言います。
繰り返し練習する 頭で分かっていても、実際に身体が覚えるまでには時間が掛かります。何回も繰り返しライズアップの練習してください。そうしている内に体で分かるようになります。

キャノピーを自在に操れるようになれば、鳥のように自由にテイクオフできるようになるでしょう

セットアップのコツ

セットアップはビギナーであってもパイロットであっても変わりはありません。安全なフライトを楽しむためにも、しっかり身に付けてください。

機体の広げ方
風の向きの確認 風に対して垂直に広げて下さい。もし、向きが合っていなければ傾いて上がってしまいます。また、扇型に広げないと翼端が先に上がってしまう。
風の強さの確認 風が弱い時ほどキッチンと広げて下さい。もし広げている最中にめくれてしまい、うまく広がらないようであれば、ライズアップの仕方をクロスハンドで行うこともひとつの方法。
ラインチェック 
以下の手順で進めて下さい。またフライト後に畳む際にもラインチェックを行ってください。次のフライトのセットアップを素早く行える。
@ライザーを持ってラインが張る位置までキャノピーから離れます。ラインをたるませていると絡んでいる部分が見にくい為、、ラインチェックがうまくいかない。
AAラインの絡みのチェック。
Bライザーのねじれを取る。
Cブレークコードの絡みをチェック。その際、ブレークコードをキャノピーの外側の方向へ引く。そうすると両翼端が引き込まれ扇型になり、立ち上げやすい形を作ることができる。
D最後にB、C、Dのラインチェック。
※仲間がラインチェックをしてくれる事があります。そんな時も必ず最後には自分で上記のチェックを行って下さい。
フライトの安全は全て自己管理の下にある事を忘れずに。
フライト直前最終チェック
6ポイントチェックを覚えて下さい。焦ってテイクオフして装備を忘れてしまったという事を経験している方も少なくないと思います。
@ヘルメットのベルトは確実に止まっているか。
Aハーネスのバックルはすべて止めているか。3点チェック(レッグ・ウエスト・長さの調整の順番でチェック)
Bブレークコードの絡みはないか。
Cカラビナのロックはされているか。
Dシューズのヒモはきちんと結ばれているか。
Eテイクオフ前の無線チェックも忘れずに。

チェックは順番を決めていつも同じように行って下さい。その順番が違うようであれば、自分自身のコンディションが違っていることを自覚して下さい。体調の管理も良いフライトの為には欠かせないものですし、実際のフライトでは冷静さが何よりも大切な事。テイクオフ前に冷静さが確保できなければ、それも難しくなります。

「自分で考える癖をつける」

スクーリング中に『何で今テイクオフしちゃダメなのかな?』とか『何で今右に回すのかな?』など。周りの状況を良く見てみよう。すると『ああ、風が強いんだ』とか『荒れているんだ』と言う事が分かるはず。そして『だから飛ばないんだ』と言う事が分かってきます。

どんな小さな動作でも、その一つ一つに隠された理由を悩んでみてください。『なぜ今こうするのだろう?』『なぜダメなんだろう?』と言った「考える癖」を身に付けて下さい。また、なぜの理由が合ってるのかどんどんインストラクターと話をしながら確認していきましょう。思い込んでるだけではダメです。

パイロットになれば、飛べる・飛べないの判断は客観的な条件を自分で収集し、自分で決断しなければいけないのです。技術だけでなく精神面も育る事が大事だと思います。
いつまでもインストラクターにオンブにダッコでは、上達しないばかりか自分で判断できなくなってしまいます。